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リネンや麻を織る日々をつづっています。
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リネン日記
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2012年11月04日
ここ数日10度、11度ほどを経験しますと、冷え込んできたなあと思います。でも、11月なのでこれはこれでありがたいこと、自然を守るってそういうのを受け入れるところから始まると思うのです。カリフォルニアにいて、砂漠の地に水を引き込み都市を作り上げるとからっとしていて過ごし易い砂漠のオアシスが生まれます。日本もそれを求めるのかと言う話がダムや原発の悲劇の話につながってくるのです。

安く便利なものを求めるのが経済というものですが、それならコンビニでよいのじゃないかで、日本では百貨店よりもコンビニのほうが集客力がある流れになっています。コンビにでも売り上げ頭はおにぎりサンドイッチなのです。集客の基本なのですが、人間にとっての必需品である食べ物を制するものがすべてだったりするのは逆に悲しいところかもしれません。

昔はコンビにも値下げしないことが商売の鉄則といわれましたが、集客のためにおにぎりすべて100円とかやってます。稼ぎ頭で値下げをするほど勝ち組のコンビニですらもトランプで言う切り札を常に使わないと経営が成り立たなくなっているのが、大手の電器メイカーの苦悩と共通をしているところです。

毎年新しいものを良いものとして出したらお客さんもそんな商法には飽きるだろうというのが分からないのが今の日本のマーケティイグで、そんなからくりに騙されないで、何十年も続く良いものを使い続けることこそが賢い選択であるのではないかと思います。

私自身も、アメリカにいるときにイギリスのレーシングカーのエンジンを搭載したジャガーXJSというスポーツカーに乗っていましたがほんとよく壊れます。マドンナの歌ではありませんがファンシーな車というのは長持ちしないというのは定石で、マドンナのようなポップシンガーすらもが世界的に歌い広まっていることすらもが自分自身の人生の教訓になるというのが意外でした。これって、方丈記につうじるものがあるんじゃないでしょうか。マドンナのエクスプレスユアーセルフやシンディーローパーのトゥルーカラーズなど案外ポップソングのなかに日本的な哲学適な価値観が存在していることに派手でハチャメチャにおもえるアメリカンシンガーたちにすらアーティストを感じざる思えません。

でも、ジャガーXJSのような壊れ易い車に乗ったことが今の自分の仕事でシャトル織機を動かすのに生きていたりするのです。XJSもクラフトマンシップの塊で、中古で10年落ちの100万くらいの車ですが、もとの定価は1500万円委譲する宝石のような車です。それをどう乗りこなしていくかは自分次第で、壊れても自分の覚悟があればそれなりの価値があるものなのです。

究極の価値観というのは求めると孤島を目指すような世界で、林与の場合ですと、近江上布の着物の世界にこだわるべきでなかったのかということに似ています。たぶん、その路線を歩んでいても息絶えて今は林与が産地で麻を織ることも続いていないと思います。一方で、半世紀以上昔に林与のなかで途絶えたものを、糸からも近江上布を再現できるようにすべて封印して残してあるのが林与のスタイルで、今はだれもがその糸の記憶すらもたどれなくなっても麻の業界の老舗として封印した状態で残してあります。

原型のままの形で残そうとすると周囲には飽きられてしまうことも多く、支持が得られにくいというのが伝統産業の性です。究極を極めたものでも時代の流れとともにどんどんと支持層が減っていき、買い手のないつくり手だけの世界になってしまうという状態に陥りがちなものです。
2012年11月03日
昨日はゆっくりと休むことができたので、体調は非常によい状態で長栄座のロビー展示に出発です。

ものごとというのは計画をしていても、なにか問題が起こる要素が常にあって、一つのことがうまく行かないと他のすべてが止まってしまうので、しっかりと効率のよい生産計画の下で生産をしないと、ものごとが詰まったときにもそれを吸収する余力すらないものです。よくいわれるのが8割の力で仕事をするべきだといわれます。そうでないともしものときに対応ができないからです。

今の時代、8割の力で仕事をしていると、逆にいざというときに力を出せるのかというと、いつの間にか8割の力が精一杯になってしまうので、どんどんと退化していきます。自分との戦いみたいなものがないと、どんどんと落ちて外の世界で通用しなくなってしまうのです。それは国内とだけでなく海外との競争なのかもしれません。また、それは洋服の世界だけでなく携帯電話なんかと異業種的な戦いなのかもしれません。

今日のロビー展示では、開演までの待ち時間ならびに、公演の途中の休み時間、そして、終演後の時間にお客様との交流の場をいただきました。近江上布絣柄に目を留めていただいた方が多かったです。リネンガーゼ生機が実物をみられた方が興味を示していただき、値段の手頃さからかもしれませんが、20枚分以上、皆さんに買っていただけました。即売するというのが、生地をみて納得して購入いただけ、案外良いものなのだと実店舗を持ちたい気分になりましたが、背伸びせずに、実工場を持っていることを幸せに思って今の現状の手の回らなさからも、まだまだ先の夢としたほうがよいと思っています。

布工房DENさん仕上げたワンピースなどもご婦人方には好評で、長浜のDENさんに脚を運ばれますとご購入をいただけますと誘導をさせていただきました。また、ミルツルさんの新しい本に興味を示していただいた方もあって、余った時間に少し滋賀県の中のものづくりやリネンの世界、アパレルの世界の話を聞いていただけ、将来なにかのときに思い出していただけることもあるのではないかと。

あと、今日は、ビビモアの青木さんとニオスラッシュセカイの渡邉さんとお話しする機会があり、ビビモアさんはネットショップなどを立ち上げようとしたい方を応援する仕事をされていて、これからは、いろいろな海外を含めた広がりのことなど考えておられます。また、ニオスラッシュさんは滋賀県の布素材を使ったオリジナルカバンの展示販売をされていて、高島のハンプを使ったカバンが意外に軽かったので驚きました。ニオスラッシュセカイの紹介はYOUTUBEで見つけました、どうぞ。http://www.youtube.com/watch?v=Iny-Ps-Zje4

思うのは、独り立ちして生きていくというのはなかなか難しいものだなあとほんと思います。数年はうまくいってもうまく行かなくなると食べていくことも難しくなるので、一つの企業が長く続くことのほうが不思議なことであろうかと思います。調子の良いときに大きくしようとすれば、人もたくさん抱えないといけないし、それが調子が悪くなると、調子の良いときを経験した人たちでは厳しい時代を乗り越えるために変わることすら難しいものです。
2012年11月02日
上海から帰ってほとんど寝ない状態で1週間が過ぎました。今日は私自身は久しぶりに睡眠をゆっくりと取りました、脳細胞が修復されたような感じですが一方で張り詰めたものがなくなり、再び、テンションの高いモードに移行のために追いやる必要がありそうです。遅れているネットのご注文もご発送も11月4日には完了いたす予定ですのでご注文をいただいたお客様、今しばらくお待ちくださいませ。

ミルツルこと天野千鶴さん著、アップオン発行、主婦の友社発売の「ミルツルの世界 着る人に、よりそう服」が一冊出版社から届けていただきました。中をのぞいてみますと、弊社の生地をたくさん使っていただいており、しかしながら、これはどの生地なのだろうかと迷うものもあったりで、この本を買われた方が、弊社の生地にお使いいただくためにはネットで販売をさせていただいても本のどの作品なのかのリファレンスしていかないと駄目だなあと思っています。とりあえず中を覗かれたいかたは、アップオンブログをご覧くださいませ。http://uponbooks.exblog.jp/18615231/

林与では、こちらの本の1万円以上お買い上げでのプレゼント企画も11月中ころから計画をしてはおります。上海のインターテキスタイル展など展示会から帰ってきて、そちらのスワッチの発送が完了をしまして落ち着きましたらプレゼント企画が始まります。

ミルツルさんとお会いしてお話していると、布に対する独特のテイストをお持ちです。今年の春にミルツルさん用のオリジナル布3626サシコも製作させていただきました。普通は販売していないタイプの布で、ちゃんと織れるのか心配だったのに機から作って作り上げました。思ったとおりに織りあがりまして布としてみていても楽しいものです。その柄に秘められた秘密がミルツルでミルツル布が小さなアイテムで本に登場していたのをちらっと眺めただけで、作ったときの思い出が蘇ってきました。

あの布も数センチを織るのも難しい状態から、織キズもなく順調に本生産に移行できたことは、奇跡じゃないのかなあと思ったりもいたします。頭の中で理論的にはできる布でも、実際に機を作って織り出してみるまではどこに小さな問題が潜んでいるか分からないもので、その問題がないことのほうがめずらしいもので、問題があるとやったことがすべてアウトなんてこともあったりです。

あの時も、寝ずに、織機に爆弾が落ちたような糸がぐちゃぐちゃになったものを織れる状態にまでもっていってなんとか織れました。複雑な織物というのはできないことはないのですが、今の厳しい時代には、通常の何倍も時間が掛かるので普通はなかなか手がけることは難しいものですが、そういう企画が成功する背景にはミルツルさんがその布を使うという前提が確りとお持ちくださっていたことがあります。ミルツルさんのお店に行かれる方があられましたら3626布も見てくださいね。あとカバンの布もミルツルのアニバーサリーにお使いいただきました。ぶ厚い生機をご自身で煮炊きくださって味わいを出してまでしてお使いくださったそうです。
2012年11月01日
今日は、ひこね文化プラザで行われました物産展に参加させていただきました。初日の今日は平日でしたが、フリーマーケットや物産品や出店コーナーには、このイベントを楽しみにしておられるお客様がたくさん来ておられました。近隣の市町村からも来賓が来られ、愛荘町からは副町長と職員の方が出ておられました。

ひこにゃんのほか、横浜西区から「にしまろちゃん」が参加です。黄色い花びらなので、ひまわりかと思いましたが、西区の花である「水仙」をイメージしてあるとのこと。かなり目立つわりには、彦根では新鮮であのキャラクタは何なのか分からなかった、と思います。彦根市長の挨拶のなかの説明で謎が解けて遠くから大変ご苦労様。

物産展に人を呼び込もうとするとパフォーマンス的なものが大事なのかなあと、昨年、仏壇さんが職人さんたちが製造工程を実演されて多くの人が見に来てにぎやかだったので。職人が仕事してものが出来上がっていくのをみるというのは興味深いものです。織物だって同じかもしれません。織りあがった布を見てもらうより、織っているところを見てもらうほうがその大変さが分かってもらえ、その価値が分かってもらいやすいのでしょう。
2012年10月30日
最後はやっぱり人の力の差だろうなあと思うのが織物の仕事です。出来る人と出来ない人とでは10倍くらいの差があるというよりも、プラス10とマイナス10くらいの差があるもので、簡単なことでも大層な仕事に思えてしまう人というのは伸びることはなく、仕事を任せることすらも時間に追われて出来なくなってしまいます。

出来る人に仕事が集中して、出来ない人には仕事が任せられない。そんな差がさらに力の差を生み出してしまいます。出来る人というのは自分のことだけでなく、他の人の仕事のことまで考えているものですが、できない人というのは自分の仕事のことも考えられていないで焦りすらないものです。自分自身で仕事を作り出す気持ちがなければ明日の仕事もないのは当たり前のことなのです。

仕事のできる人は常に焦っていて、仕事の出来ない人というのは焦りすらないという状態というのは、どこの会社でも同じことだといえます。私の場合、職人さんのできない部分をカバーして仕事を前に動かしていくというのが仕事であったりすることも多いので、毎日くらい問題との直面ばかりで、やることばかりで時間が足りないのです。

織物の仕事がそんなに難しい仕事なのかと思うことのほうが多いのです。原理的にやろうと思えばやれることですが、自分がやればできても、実際の本番などを想定すると他の人にやってもらわないと意味がないので、それを人にやってもらうときに、スムーズに行く場合といかない場合があるので、やらないといけない仕事もやりたくない人がいれば出来ない仕事になってしまいます。

なんだか泣き言みないなことを書いていますが、こういう人の仕事に対する考え方の問題が産業が崩壊する主因であったりします。国内だけでなく海外との競争のときに、海外ではスムーズにものがつくれても、国内ではものをつくるのが難しくなってきているのと同時に、海外の品質が上がり国内の品質が低下するのは、負荷のミスマッチの問題を解決しないと駄目だろうなあと思います。
2012年10月29日
受注生産でものを販売するときに、お客様が弊社を信用される必要もありますが、反対に弊社がお客様を信用してものづくりするかどうかという問題があります。問屋さんによっては、ものづくりをしても買取をしないところも多かったりするのです。

残念なことですが、繊維業界では元気にされているといわれる大手の生地商社さんほどその傾向があるとはよく言われます。大手商社さんの生き残りがものづくりする立場のものを都合よく騙すことで成り立っているというのは非常に残念なことです。

このことは、信頼関係が怪しい中での流通というものは、まともなものが流れにくくなります。最終的にはものではなくて人ですので、信頼関係なしに成り立つ損得勘定だけでの流通というものは、それに見合ういい加減なものしか流れにくいものです。本来は商社はリスクヘッジを吸収する使命があるのですが、それがなくなるとなると商社存在意義すらもなく、リスクをもたらす商社が間に入るとなるとどうにもならないものです。

よく海外の企業はものをつくってもキャンセルしたりするということで、頭金や入金を確認してからものづくりをすることが条件となっています。そういう海外企業の信頼できなさみたいなものが、日本社会での笑い話のいつもネタになりますが、日本の大きな会社も同じですよという笑ってられない話です。
2012年10月28日
今回の中国出張では、グローバルWiFi なるものをレンタルして持って行きました。レッツノートCF-SX1との組み合わせでは、中国でのグローバルWiFiの反応はそれほど早くはないですが、非常に便利だと思いました。

出張中も余っている時間、コンピュータで作業ができるのは非常にありがたいことです。特に、飛行機の乗換えの合間や、飛行機の中の時間を有効に使えたのは良かったです。展示会場でも、コンセントがあったので、普段の作業環境に近い環境が中国でも持てました。

グローバルWi Fi のおかげで中国でも道に迷うことはほとんどなく行動力が増しました。1日1000円くらいで中国でも一応ネットに繋ぎ放題です。1日500円ほどで謳っていますが本体を無くすと7万とかいう話ですので、保険はつけておいたほうが安全かもと思います。あと変な費用を別途1500円取られるのでそれを謳っていないあたり怪しいビジネススタイルではあります。

空港で返却を忘れても中に入っている返送用の封筒でクロネコから送れば送料は掛かりますが返却もできるそうです。一応、5人まで使えるそうですが、回線が細いので一人で使うことを原則にしなさいというような注意書きが入っています。ルーターと呼ぶには厳しいということでしょう。
2012年10月27日
昨晩には、お二方からNHKの夜9時のニュースで私がインターテキスタイル上海でインタビューに応えているところをご覧になられ、驚かれたということで、そんなに大々的に取り上げていただいたということで私のほうがびっくりなのです。

インターナショナルファブリックスデザインコンピティションで、総合部門の三等賞を受賞させていただいたことで、インターテキスタイル上海への来場者の皆さんがご覧になられる初日のインターテキスタイルエクスプレスにもリネンデニムブラックは載せていただき、業界紙の繊維ニュースさん、繊研新聞さん、のほか、共同通信さんや、NHKさん、などの取材もいただきました。中国公式なニュースサイトでも今回の受賞の様子はご覧いただけます。http://www.ctei.gov.cn/news/bwzq/201210/t20121024_1409514.htm

林与が前向きに動いているところを主催の皆さんがバックアップくださっていろいろと情報発信のチャンスをいただけたものと思っております。今回は、私のほうは受賞に気がとられてしまっていて、通常の商談に関してはアシスタントの通訳のものに対応を任せていたのですが、交換させていただいた名刺などを拝見していると中国の著名なブランドの代表デザイナーの方がたくさん見えてくださっていました。

今回、影響を感じたのは、日本からの来場者の方が少なかったことです。日本の出展者自身が今回の展示会がどんな形になるのか読めない中で、それは仕方のないことですが、日本の繊維業界の皆様と1年ぶりにお会いするというチャンスがインターテキスタイルの場であったりもします。
2012年10月26日
今日は、上海の新天地を午前中散策し、ウィンドウショッピングです。金曜日で休みでもないのに、新天地のカフェテラスは人だかりです。目的として訪れたのは、新天地のdecoster concept、デザイナーZiggy Chen氏のお店です。弊社の生地も使っていただいているので一度お店をのぞいてみたかったのでチャンスが訪れました。

数日前にジェトロの坂戸さんと河村さんが、林与の素材が使われているということで、先にお店に行って有ったよ、ということで試着までしてきてくださいました。私も、少し迷いながらも、黒に統一された高級感漂うお店を見つけました。お店自体が強いブランドのイメージをもっているのでそれに合う素材を求められているのが良く分かります。

新天地は、ファッションの街そのものなので、今回の展示会で名刺交換をさせていただいたブランドのお店がたくさん目に留まり、限られた時間ではありましたが、それぞれのブランドの求められているイメージというものを実際の店舗を見ることでよく理解ができます。
2012年10月25日
今日は最終日なのでお客さんというのは少なめです。終わりがけ間近、昨年ブースで通訳で手伝ってくれた中国の方が、前触れもなく弊社のブースを見つけて会いに来てくれました。繊維関係の貿易の仕事に就いておられ名刺ももらって目標だった日本語を使う仕事に就かれて良かったなあと自分のことのようにうれしく思います。

今日は片付けの始まるお昼過ぎに、おばちゃん風の方がJFWの西岡さんから弊社のブースにお越しくださいました。最初よく分からなかったのですが、近江上布の絣をご覧いただくとひどく感心くださって織物を良く知っておられる方だなあとピンと来ました。また、それが50年前のもので綺麗に保管できていることにも驚いて感心してくださっていました。

昔の織物を大事にしようという気持ちを持っておられる話もしてくださり、生地にや洋服に対しての思い入れで私と共通する価値観を感じました。この方と話をしていると本当に楽しいので近江上布なんかの話を1時間くらいブースにいてくださったのではないでしょうか。あとで西岡さんがきてくださり、インターテキスタイルの会期ニュースマガジンを執筆しておられる名物記者の方という説明を受け、今回、近江上布のアーカイブの一部を柄見本として展示したことで世界に日本の織物の世界を情報発信できたこと良かったなあと思います。

今回の展示会は、ブースでの商談には集中ができていない部分もありましたが、たくさんの方に注目をいただき応援をいだただいた本当に特別な展示会になりました。受賞したことで、授賞式に向けて段取りをいろいろと手伝ってもらって、中国での授賞式に出るという経験をいたしました。授賞式でも中国の繊維産業の主催の方やトップの方たちが日本人の二名の受賞者に対し非常に優しく暖かく迎えてくださり、私自身にとって人生の大きな良い思い出になりました。

片付けは2時過ぎには終わって、タクシー乗り場にいくと案外スムーズにタクシーが拾えて、ホテルでちょっと休憩をしてから、ホテルの近くのレストランで食事です。明日はブランドのお店を見に行きます。
2012年10月24日
今日は受賞したことでメディアの方がたくさん取材に来てくださいました。受賞の様子もメディアなどではご覧いただけます。林与は、3等賞3人の内の一人で、写真にもいい感じで大きく載せていただいております。いい記念になりました。

ジェトロのスタッフの方が、昨日、弊社の素材が中国の高級ブランドで使われているということで、ショップに出向いてくださり、弊社の素材を使ったアイテムを試着までして撮影してその画像をくださいました。ジャパンパビリオンに連続して出続けて中国ブランドさんにも認識が高まり、また、3年目にはJETROさんのビジネスマッチングのコーディネイトもあって順調に中国に関しては優良ブランド数社とのお取引が生まれてきました。

今年の場合、300m、500mとかのバルクで、FOBで1m20ドルくらいからの生地であるというお話をさせていただいても、大丈夫という答えが返ってくるので、使われるときには1m30ドルくらいの生地になると思うのですが、中国の国内の物価というものが急速に上がり続けていてどうやら日本を追い越す勢いです。

今日は、展示会場周辺のお店で夕食を食べましたが、一般的な中国的なお店での食事でも3人で3000円ほど使いました。日本で中華料理を食べても同じくらいのケースが多いので、食べ物の価格に関しても拮抗し始めていますね。土地やマンションに関しては日本の都市よりも上海のほうが高い気がします。
2012年10月23日
今日は、よい天気、10月末なのにまだまだ暖かさを感じる上海です。今朝は、最初のお客さんの少ない30分くらいリネン紡績会社のブースに遊びに行ってリネンの本を10冊もらってきました。ブースに戻ってしばらくすると別のリネン紡績の会社も林与のブースに来てくれました。

今日は、受賞を受けたことで主催のメサゴの方やJFWさんやJETROさんの皆さんが見にきてくださいました。テーブルの上に、いただいた綜合三等賞の賞状とトロフィー、入賞の楯を飾っておきますと表彰を受けた感じが漂ってよい感じです。今年から5年間、国際ファブリックデザインコンテストもインターテキスタイル北京がコンテストのスタートの場で、インターテキスタイル上海がゴールの場という形になっているので、インターテキスタイル上海会場の中のどこかに、ファブリックデザインコンテストの展示セクションがあると思っているのですが、どういう風に展示されているのだろうかと思って探してみたのですがまだ見つかりません。

今日の商談に関して展示してある近江上布柄に対して興味を示してくださる方は多いのですが、オリジナルな本物の絣のガチッとした着物のものがよいといわれる方と、プリント柄に置き換えたものを良いと評価くださるケースと分かれてしまうのは仕方のないことで、その作る工程の違いを説明するのがものづくりをする側のものとして大事に思います。近江上布絣が簡単にできる思われているとそうではありませんので、その意

あるブランドの女性のデザイナーの方が昨年サンプル用にお分けした「林与」のストールをつけてブースに来てくださいました。リネンガーゼギンガムストールもいい感じにソフトになっていました。これって新しいパターンでびっくりだったのですが、「林与」のことを大事に思ってくださってうれしかったです。1年に一度しかお会いできない皆さんというのも多いものですが、一年ぶりにお会いすると仕事以外の部分でも楽しいものです。
2012年10月22日
今日は、雨、荷物をもっての出発で傘を買いに行ったりと余分なことが伴います。雨なので、タクシーはなかなかつかまらずでしたが、会場にはなんとか予定くらいの時間について、最初のお客さんの少ないうちに、リネンの糸の会社のブースに遊びに行きました。ブースから戻ってくると別のリネン糸の会社の方が来られて、糸の在庫状況などの確認を依頼しました。

午前中のお客様で、近江上布を大変気に入ってくださった韓国で織物の先生をしておられる方がおられ、いいね、いいね、という感じです。昔のものというのを分かってくださり、それに対しての高い評価というのをしていただけるというのもありがたいものです。織物を良くご存知の方なのでものを見たときにすぐにその価値を分かっていただけるのは、ありがたいところです。

午後2時くらいからは、シェラトンホテルで行われる国際ファブリックデザインコンテストの授賞式に出席のため、会場を出発し向かいました。シェラトンホテルの広間は、授賞式らしく、何百席分に相当するディナーのためのテーブルやディッシュやグラスなども整い、テレビ撮影も行われ、中国の繊維事業の国家行事のひとつとしての祭典らしい雰囲気です。

リハーサルの後の授賞式の本番は舞台の中央に立って、賞状とトロフィーをいただくだけで滞りなく済みました。ほっと一息です。日本の受賞者に対して非常に暖かく接してくださり、日本人の受賞は私と小松精錬さんだったのですが、どちらも、それぞれ舞台の中央の位置を与えてくださりありがたいことです。

授賞式終了後のディナーも、美味しく、緊張から解かれてワインをたくさん飲みました。貴重な経験を無事させていただいて、よかったです。この授賞式のために、ファブリックコンテストの主催の皆さんや、授賞式に向けていろいろとコーディネイトくださったメサゴ香港のスタッフのみなさん、授賞式に応援に駆けつけてくださったジェトロの方々、日本の取材のみなさま、受賞したことでいろいろな方にお世話になりましたが、受賞させていただいて本当に良い記念になりました。
2012年10月21日
昨日の晩から出発前に終えておかないことだらけでぎりぎりまで留守中のことを行って、徹夜での出発です。それでも関空に無事について、空港で海外WIFIのセットをピックアップしました。初めて海外で使うのでうまく使えるのか分かりませんが、中国のどこでもノートパソコンがネット接続できるのは強みです。

上海プートン国際空港に付いたのは3時過ぎ、入国ゲートから出るのに時間が掛かり、また、展示会場までのタクシーの列が長すぎて、結局準備には間に合わないということで、ホテルに先にチェックインをいたしました。

夕方6時半から会場近くのケリーホテルで、日本人出展者向けの夕食会がありました。豪華な中華料理でお腹が一杯になりました。途中で抜けさせていただいて、明日は、授賞式に出席するので、授賞式のための洋服を探しに夜8時過ぎですが街の中に向かいました。

ホテルに戻ってゆっくりと休息をとり、じっくりと数日の飛ばしすぎた疲れを癒しました。
2012年10月20日
今日は、インターテキスタイル上海出発前の準備に追われておりました。インターテキスタイル上海の準備が忙しいというよりも、工場を留守にする間の準備をしておかないとならないことが大変で…。
2012年10月19日
最近、サツマイモを買ってぐつぐつと1時間くらい水だけで茹でて食べます。味付けなんて必要なし、これって、ハンバーガーを買うよりも何倍もお腹が一杯になります。2本食べれば一日過ごせる。

考えてみると、人間は、いろいろなものを食べすぎではないかと思うのです。他の動物は旬な物を自然のまま食べて生きています。自然に近いものを食べることこそ、体にとっては一番よいのだろうと思います。

子供の頃なら味がないと食べられなかったものでも、今は、味を感じて食べることが出来ます。普段、味をつけすぎていると、水で炊いたサツマイモも味を感じることは少ないのでしょうが、味付けをしない食べ物というのも美味しいものです。

質素な食事ですが、贅沢な食事三昧の毎日よりも、逆にがんばれる気がします。たまには贅沢もしたいですが…。
2012年10月18日
一つの仕事がうまく行かないときに、すべてがとまってしまうことがあります。本当は並行して進めないとならないのですが、それを解決する知識というものはみんなが持っているものではありません。1回でも他人任せな人が、急に仕事ができるようになるはずもなく、仕事というのは出来る人に偏るのが今の時代です。

普通のものが流れにくくなっているので、上手じゃない人が仕事に手を出すと、ボロボロになります。理想は差別化できた特別のものを作ることですが、それがどれほど危ないがゆえであるということを認識できることは少ないものです。買う人もそうですし、働いている人もその危うさというものに気が付かない。

危うさに気が付くと、そこを評価できるようになるのですが、そういう危うさからは逃げるのが普通ですので、特別なものというのが消えていくのでしょう。そうやって行くうちに普通のものもつくれなくなってしまうものです。
2012年10月16日
今日は朝、商工会の方が火災保険の件でこられました。昔は商工会も青年部に入っていろいろな行事にも参加をさせていただいていたのですが、今は会社のことで手一杯になってしまって、参加させていただく機会と言うのもありません。

出来る限りということで今は疲れたら休憩という形で動いています。自分だけのことでなく、いろいろな方との兼ね合いや作業段取りなどありますので、そう簡単にものごとが進む訳ではありません。分担して仕事をすれば良いわけなのですが、分業的な体制があるとどうしても自分のことが後回しになって自分自身は追われてしまうことが多いのです。

荷物一つにしても、朝つくのか夕方に付くのかでは大きな違いであったりしますが、今は週休2日なので、週末までにつけばありがたいのですが、週明けについてしまうと、加工やいろいろなことを考えると1週間予定が狂ってしまいます。

一つのことがボトルネックになると他のことが手が付かなくなるもので、取引先さんなどにしましてもお互いがんばれる人と手を組まないと今は一つの仕事も非常に小さくなっているので乗り越えていくということは難しいものです。出来る仕事も出し惜しみしていては続けることは難しいだろうと思うことは多いのです。

ウサギとカメの話そのもので、日本の産業も昔はカメだったかもしれませんが、今はウサギになってしまったから、カメに追い越されて仕事が少ないとか出来ないとかいうケースが多いのではないかと思います。

ジャストインタイムなものづくりを支えるためには、経済が悪く失業率は高いほうがよいというのが背景にあります。経済がよくて下請けさんが他の仕事で忙しいとジャストインタイムは成り立たず、また、忙しいときに柔軟にある程度能力のある人を雇うことが出来なければジャストインタイムで対応は難しいのです。

繊維業界もジャストインタイムな対応が簡単だと日本でも生き残り易いのかとも思います。簡単なものなら対応可能でも、生き残っているということはそれなりに高度なものづくりですので、一番簡単に見える作業でも限られた時間でできないと仕事をもらうと余計に大変な結果になります。
2012年10月15日
今朝は朝関空での見送り。

今日は午後から京都の村田染工の社長が起しなられ、草木染のストールが上がってまいりました。色は暖色系に綺麗にしっかりと染めてもらいビビッドな感じで、通常の草木染よりも色が映えます。コラボということで、インターテキスタイル上海ならびにハーベスト展での展示を予定しております。

工場の中では一昨日から150番手のストール織っています。織機の上で張り詰めた糸が触るとぱらっと切れてしまうような繊細さが、織る側としても緊張です。夜に栗東のクロネコの基幹センターまでもっていって発送が完了しました。

インターテキスタイル上海出発までのあと5日ほど追われすぎていて足りない、寝ずにの仕事が続きそうです。
2012年10月14日
今日は日曜日、上海のインターテキスタイルに向かうための手土産を東近江の「たねや」さんで買いました。その後、向かいのアピアにある南蛮茶というレストランでランチセットを注文したのですが、ボリュームがあって美味しかったです。日曜日ということもあって非常に混んでいて、田舎で3時頃に飲食関係の商売で混んでいるのも珍しいなあと思います。

昨晩は、奈良のミルツルさんが、ご出版のご予定の目処が立ったということでご連絡をいただきました。弊社の素材もたくさん使っていただいておりまして感謝です。近々の発売予定とのことで、弊社の布がどのようなものに仕上げていただいたのか、本を手にするのが楽しみです。弊社の布の在庫なども確認してご報告しました。

今日は、日曜日ですが、シャトル織機で、超細番手のストールを織っています。なかなか糸が細いので、66番手や100番手以上に織るのにも緊張をいたします。オンリーワンに憧れることは多いですが、オンリーワンというのは他がしないような覚悟と努力が必要で、決して採算性のあるところではないものです。

ビンテージアイリッシュリネン140番手生成を使用したリネンハンカチなども仕上がってまいりました。会員コーナーで発売しておりますので、リネンハンカチとしてはフラグシップ的なもので、高価なものではありますが、リネンの高級なイメージを形にしたようなアイテムですのでよろしくお願いいたします。
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